店には「忙しい時」と「まあまあの時」、そして「極めて暇な時」があります。
忙しい時というのは、沢山のお客様にご来店頂いている時間帯で、有難いなあと思いつつ動き回ることになるわけですが、
そういう時にお蕎麦を運んでいると
「いつも繁盛してすごいね!」
とか
「混んでいる時しか見たことがないわ」
と声をかけて下さる方がいらっしゃいます。
あ…いえいえ…謙遜でなく「そうでもない時」というのも多いのです。
お客様がいらっしゃらない空間で、店主が
「混んでない時の方が多いのに、繁盛してるって勘違いされてもなあ…。どうして分かってもらえないんだろう」
とつぶやいていることがありますが、
私達が暇なときというのはお客様がいらっしゃらないわけで、いないお客様は閑散とした店の状況を目の当たりにすることはなく、お客様がご来店のときは少なくとも一人はお客様がいらっしゃるので、今私達が噛みしめている寂寥を感じることはありえない…
そういうことじゃないでしょうか?
いつもこのあたりを走るタクシーとか、店に入ったことはないけれど店の前をよく通る方のほうが実情を知っていたりして…と思うことがあります。