大掃除は秋の季語? 片付け5日目・不思議な指輪

今日は箪笥の中のアクセサリーを点検してみます。
普段は蕎麦屋の女将ですから、装身具を身に着けることはまずありません。

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こんな、地味な、毎日

休日も結婚指輪以外はあまりしないかな…。
思い込みかもしれませんが、私はあまりネックレスやブレスレット、指輪が似合わないタイプのようなのです…。

とはいえ、引き出しを開けてみるとまあまあありますね…。

指輪(結婚指輪含む) 3つ 
ネックレス(ペンダント、チョーカー、冠婚葬祭用含む) 14本
ブレスレット 3本
イヤリング、ピアス 3組


普段買ったりしないのに、なんでこんなにあるんだろう…。
結構驚きです。
よくよく見てみるとネックレスは母や伯母から貰ったものが多いです。
何年も大事に保管していますが、いつ使ったかちょっと思い出せないものも…。
「こんなのあったっけ?!」という初対面風の逸品もあり、こうしてたまに点検することの大切さを思い知ります。

母たちが思い出深い高価なものを譲ってくれた、その気持ちが嬉しい…と思う反面、
これまでほとんど身に着けてこなかったということは、申し訳ないけど、今後も使わないのでは…
という不安もよぎります。
それはこの美しいものたちにとっても、幸せなことではないでしょうし…。

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こちらはよく使う、おなじみさん達

普段使っていなかったものは、まずは身に着ける工夫をしてみようと思います。
使ってみてしっくりしないものは手放すか、あるいはリメイクですね。
ありまさのお客様でもピアスをイヤリングにしたり、イヤリングをペンダントにしたり、お母様の形見の指輪のサイズが合わないのでお直ししたり…というお話を伺うことがあります。
すぐに処分…ということではなく、
今ご縁があって手元にあるものなので、ちょっと努力してみよう
と決めました。

以前はピアスが大好きでしたが、金属アレルギーを起こして今は使ってません。なので、こういう嬉しいプレゼントもリメイクの予定です。

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台南のお友達からのお誕生日祝い

指輪は3つ、これはフルに活用していますね。
そうそう、ふと思い出しましたが、以前私はもう1つ指輪を持っていたのです。
結婚する前、新宿の地下街で買ったものでした。

当時、毎日がすごく、ものすごく辛かった…。
来る日も来る日も朝起きるのが辛く、なんとか起きても全然楽しくなく、1日が永遠のように長く感じて、今日も明日も明後日も、これからいいことなんてないんだろうな…という確信めいた疲労感に包まれ、頭はいつもぼんやり…。
そんな気分だから体もあちこち調子が悪く、胃が痛い、頭痛がする、何を食べても消化不良。仕事は好きだけれどどうにもやる気がでなくて、情熱がないから遅れが頻発して計画性がどんどん失われ、当然のことながら信用も失って…。

そんなにっちもさっちもいかない泥色のオーラに包まれて丸の内線の改札を抜け、JRの乗り場に向かってのろのろと歩いていた時、突然
指輪、買わないと!
今、買わないと!!

と思ったのです。
思ったというより、直感した、厳密に言うと何かに命令されたような、不思議な感覚でした。
今やりなさい、今買いなさい!!

地下街には若い人向けのお店が沢山あって、その中の1つが目に入りました。
細い金色の指輪に自然と目が行きます。
普段なら絶対買わないけれど…。
お値段は1万5千円くらいで、当時の私にはかなりの大金でしたが、とはいえ買えなくはない額です。
何かに操られるようにレジに持っていきました。
お包みしましょうか?
と言ってくれた店員さんに
「今、つけていくのでいいです」
と言って、その場で指にはめました。

指輪をして、再びJRの乗り場に向かって歩きだしたときperfumeが流れていたのをはっきり覚えているのです。

新しい場所で うまくやっていけるかな♪

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ワンルーム・ディスコ(2009)

当時私は30代半ばだったから、新しい場所でうまくやってみようとして、全然うまくいかなくて、それでももう一回挑戦して、前回以上にコテンパンにやられて、それでも挑戦したけどやっぱり何も実を結ばなくて…
みたいな精神の複雑骨折状態。
すでに何回もトライして、失敗して、十分に傷ついていました。
心に乳酸が溜まるだけ溜まっていたとも言えます。

だからこの歌詞に感動したというよりは、むしろ「身もふたもないな~」と感じたのですが、
計画をねりねり ♪
あたりですごく(良い意味で)バカバカしくなって、なんだか逆に、ちょっと明るい気持ちにすらなりました。
「もうしばらく頑張ってみようかな…この指輪と一緒に」
なんとなく、理由もなく、どうしてこのタイミングだったのか、なぜperfumeだったのかも謎ですが、
この時、私の人生は大きく切り替わったような気がするのです。

それからしばらくしてあれよあれよと結婚することになり、当時夫は「俺は絶対独立しない」と言っていたので、それまで通り私はフリーランスのライターで、取材の時も、原稿を書くときも新宿の指輪と結婚指輪を重ね付けしていました。
運命って不思議だな~
と思いつつ。
そしてあまりにもよく身に着けていたせいか…、
ある日突然、新宿の指輪はいなくなってしまったのです。
いつも一緒に使っていたのに、不思議と結婚指輪だけは残っていました。

今でもふとしたおりに、ごくたまに、思い出すことがあります。
あの指輪、どこかで、元気でいてくれるといいのだけれど…。

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指輪本と言えば思い出すのはこれ。描かれているのが
光の指輪を探す旅ではなく「闇の指輪を捨てに行く話」というのがすごく示唆的
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