完全版ピーナッツ全集

辛い時はスヌーピーを読めばいい。
これは、世界のお約束。

子供の頃から「ピーナッツ」読んでいた私は迷うことなく近年出版された全集(河出書房新書)を買い、死ぬまでこれをぐるぐると読み続ける予定です。

私の本棚

かわいいだけじゃなくて面白い、面白いだけじゃなくてちょっと怖い、怖いだけじゃなくてたまに不条理(笑)。

元捨て犬(デイジーヒル子犬園という施設育ち)のスヌーピーと心優しい飼い主のチャーリー・ブラウン、そしてチャーリーの友達が織りなす子供と動物だけの世界は、とても狭いけれど(舞台は家と学校、ご近所くらい)とても深く、何回読んでもまったく飽きません。

絵の面白さも大きいのですが(実際言葉をほとんど使わないものもかなりあります)、
この漫画の真骨頂は登場キャラクターが子供だからこそまっすぐに人生の苦悩を直視していることで、
例えばがんばっても必ず失敗する、好きな人には好かれない、他人は全然理解がない、悪い癖がなおらない…
大人のように自他を騙す器用なごまかしが出来ないので、彼らは毎回悩みと正面衝突します。
キャラクター同志の喧嘩も頻繁にあります。
でもその問題を毎回ユーモアという第三の道で切り抜け、全員がそれぞれの欠点(個性というにはあまりにも面倒な何か)を克服することなく、それでも仲良く生きていく…
よくよく考えるとかなり老成した処世術が、面白くもさりげなく、可愛らしくもバカバカしく語られているのです。

南町田スヌーピーミュージアムで
ミュージアムは原画が沢山展示されています

作者のシュルツさんは子供時代いじめられっ子でした。

そのせいか登場する子供たちがつく「ため息」がいつもすごくリアルで、かわいいけれど悲しくて、悲しいけれどかわいくて、世界中の読者が彼らの sigh にちょっと救われているのではないかと思うことがあります。

少なくとも私はチャーリーのため息と

I can’t sand it(やりきれない)

に助けられて約半世紀になります。

全集は博打すぎる…という方はまずはこんな文庫本1冊からでも⇩

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