2019年の初夏に日本公開されたフレデリック・ワイズマン監督のドキュメンタリー映画です。
ワイズマン監督の大ファンというわけでもないのですが、
理由もなく、
これは映画館で観なくてはいけない!!
と確信して恵比寿ガーデンシネマに行きました。
夫も誘ったのですが
「俺は映画が大好きだしドキュメンタリーも好物だが、さすがにマニアックすぎるし、長い」
との理由で、ソロ活動に。
長いというのは本当で、休憩をはさんで3時間25分(DVDも2枚組)。
首がね~、腰がね~、という気持ちも分からないではないです。
こちらは予告編を見ることが出来る公式HP
https://moviola.jp/nypl/
世界で一番美しい図書館といわれるニューヨークー公共図書館(NYPL)と、
そこで働く人達の姿を撮っただけ…ではあるのですが、
膨大な資料の貸し出し、
人力Googleと呼ばれる検索案内(館内だけでなく外からの電話の問い合わせにも答える)、
多言語への細やかな対応、
PC機器の貸し出しなどを含む教育や就労支援。
大学で博物館学を学んで学芸員資格をとったので(司書資格はありませんが)
これだけでもものすごく大変なのが分かります。
でもそれだけでなく…
魅力的な有料や無料のイベントを企画したり(作家インタビュー、ポエトリーリーディング、エルヴィス・コステロやパティ・スミスなど有名ミュージシャンの公演など)、
有力者からの寄付を募り、
その返礼の食事会を催し、
行政とも積極的に関わって予算をぶんどっていく(笑)。
後世のために紙の本や資料を保存するとともに、
kindleやオーディオブックへの対応も積極的で、
NYPLが主導して声優さんを雇い朗読を録音する風景も。
職員だけでなく、ボランティアや障がいのある方々の活躍も描かれていて、
NYPLが多くの人の知恵と汗の結晶だとよく分かります。
本って凄い…。
そして本の周りにいる人達もすごい…。
活字文化を文字通り命をかけて守っている人達の姿に圧倒されます。
人生で一度は訪ねてみたい場所です。
興奮してパンフとグッズも買ってしまいました。
ちなみにニューヨークを舞台にした映画の図書館シーンにはよくNYPLが登場します。
一番有名なのは「ゴーストバスターズ」かな?
吉田秋生の漫画「BANANA FISH」にも。
地味だけど有名、静かだけど重要、
図書館の渋い魅力が満載の映画です。
(ちなみに夫もその後レンタルDVDで鑑賞しました。面白かったそうです)