レメディオス・バロ

私は大学時代に学芸員の資格をとるための勉強したのですが、
その動機は
「絵や彫刻がすごく気になるけれど、よく分からないから」。
素敵だから、もっと知りたい!
という恋みたいな気持ちでした。

勉強して資格を得たとて「分かる」わけはなく、
美術館で働いても謎は深まるばかり。
知れば知るほどその世界に魅了され…

そんな20代に出会って衝撃を受けた画家のひとりが
レメディオス・バロ。
スペイン生まれの女性画家です。

働いていたお茶の水美術学院に展覧会のポスターが貼ってあり、
これは絶対行かなくては!!
と、伊勢丹美術館に出かけました(懐かしい…)。

1999年の図録

シュルレアリスムの画家と紹介されることが多いですが、若いころからバロ独自の世界観が確立されており、
見る人は難解さよりも「バロワールド」を旅するような、ファンタジー空間を遊ぶ楽しさを味わえます。
楽しい、と言っても毒も苦味もあるので、大人っぽい「愉しさ」と表現した方が正確かもしれません。
1枚1枚にぎっしりと物語が詰まっていて、とにかくずっと見ていられる作品ばかりです。

当時は全然お金が無くて図録を買うかどうかすごく悩みましたが、買って良かった…。本当に良かった。
これからも何度も見返す宝物です。
また日本で展覧会をしてほしい!! と強く願う画家のひとりです。


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