ホステルをチェックアウトし、Mちゃんと会い、台北駅のコインロッカーに荷物を預けたら、いざ撮影スポットへ。
今日のテーマは「眷村(けんそん)」。
眷村とは外省人が居住していた地区のことです。
外省人とは1945年以降中国各地から台湾に渡り、台湾人として定住しているひとのこと。
主に1949年から60年代にかけ、国共内戦で台湾への移住が行なわれた中華民国国軍とその家族約60万人を指します。
彼らがの家が密集した地区が誕生し、既存の集落と区別されてこの名称「眷村」が使用されました。
上記の通り歴史的に複雑な事情があり、差別の問題など、今だに禍根は無くはないといいます。
訪れて楽しいだけの、無邪気なアミューズメントスポットではありません。
しかし台湾ではこういった歴史的な建築物を一掃して「なかったこと」にするのではなく、
リノベーションして忘れない、観光地とすることで訪れる人達にも考えてもらう、という選択しました。
今日はMちゃんが
■四四南村
■嘉禾新村
■蟾蜍山煥民新村
の3か所を案内してくれるそうです。
今回は小回りのきくバスも利用。
まずは…私事ですみませんが、実は昨日ホステルの近くの誠品で目的の本が一冊しか買えず、もう一度別の誠品に行ってもらいます。
台北はあちこちに大きな誠品があって便利。
本当は独立系の本屋さん巡りもしたいのですが、それは次回ですね。
本を買ったら四四南村へ。
バスに乗ります。
ちなみに台湾のバスは結構飛ばすことがあるので注意してください(運転手さんにもよりますが)。
料金は悠々カード(地下鉄でも使うSuicaのようなアレ)を乗るときと降りるときに機械にかざせばOK。
四四南村は有名な高層ビル「台北101」の近くです。
101は信義区にある超高層ビルで2004年に完成。
地上101階建て。高さは509.2mもあるそうで(怖)地下は5階まで(深)。
まだ訪ねたことはありませんが、すごいですね～。
世界で10番目に高いそうです(2023年時点)。
ちなみに私はスカイツリーも登ったことがなく、101は見上げるくらいで満足…どうやら「高所に登りたい欲」はあまりないようです。
SFは好きですが宇宙に行きたいという激しい気持ちもありません(興味はなくはないですが)。
美術館に行きたいので六本木ヒルズは登りましたが…
と思い返しているうちに101が見えて来て、Mちゃんに先導されてバスを降ります。
早速撮影開始。
そろそろ次のスポットに行こう…
Mちゃんがバス停に移動しようとしたら、彼女にフランス語で話しかける男性が。
どうやら101をバックに自分を撮影してほしいみたい。
台湾華語で「いいわよ～」と答え、撮影してあげる彼女。
フランス語で御礼する彼。
フランス語で話しかける方も話しかける方だけど、全く動じずに「好的」と答えるMちゃんもMちゃん、
そして無事撮影して、にこにこと別れる二人…。
ではでは、そこで夢中で撮影している人(夫)、そろそろ行きますよ～
声をかけようとしたら、突然彼が体勢を崩し、頭から地面に倒れるのが見えました。
え、何、どうしたの?!
Mちゃんと二人でその場所に駆け寄ります。
ちなみにそのあたりにいた人もわらわらとみんな駆けつけてくれます。
「あいたた…す、すべった…」
意識はあり、どうも脳の病変とかではないようで…。
小雨で足元が濡れているのに、滑りやすい芝生の上で滑りやすい体勢をとっていたのが原因のようです。
「どこか痛い?」
あちこち痛い…と。
そして濡れた芝生に倒れこんだので、全身びしょ濡れ。
着替えはここから離れた台北のロッカーだし、いまは冬。
近所のスーパーで安い服を買ってこようかしら…。
近くに寄ってきてくれた他人が口々に「大丈夫?」「病院行くか?」
と聞いてくれているようです。
「これ着るか?」
とネルシャツのようなものを脱いでくれるおじさんも…。
夫が中国語で「ありがとう、大丈夫」と答え、
Mちゃんは自分のバッグをごそごそ探ると黒いレインコートを出して「これがあるよ」と夫に渡してくれました。
「これならバスにも乗れる(シートを汚さない)。私はカメラマンだから、こういうのは沢山持っているから」
夫が
「本当にごめんよ。何から何まで…」
と謝りつつレインコートを着ると、周囲の人達は安心して去っていきました。
Mちゃんは
「病院もあるよ」
と言ってくれましたが、夫は
「あいたた…でも今日は最終日だよ。時間がないから、次の眷村に行くよ」
ちなみに帰国してすぐ接骨院に行ったら
「あー、確実に肋骨にひびが入っていますね」
と言われたことをここに御報告しておきます。
医師からは
「何事もなくて良かったわ。肺の近くだし、(飛行機で上昇してから)上空で激痛が起こることもあるのよ」
とも言われました(手術の必要はありませんでしたが)。
ですから、もし海外でこういうことがあったら、この対処法はおすすめできません。
それにしても…
保険に入っていないと保険が必要なことが起こるのだな(´；ω；`)ｳｩｩ
と思いつつ、私達はまたバスに乗り込みました。
(つづく)
おまけ
夫が転倒時に撮れていた謎写真。空?
