このカテゴリはありまさのお客様の思い出をつづったものです。
実話に基づいていますが、私が「ありのままに書かない方が良い」と判断したことについては名称等を変更したり、あえて事実とは異なる出来事も織り込まれています。
ですので「ノンフィクション」ではありません。
正確な出来事を伝えたいのではなく、その方のありようというか、お人柄の香りがほのかに伝われば…と願って書いてみました。
二つとないその香りがうやむやに消えてしまうのが、あまりに惜しかったからです。
基本的にはもう会えない人、亡くなった、あるいは事情があって頻繁に店にくることはない方への、私の一方的な思いです。
ご本人とコンタクトがとれる場合、原稿を確認して頂いています。
お読み頂く前に、申し上げたいことがあります。
これを読んでいらっしゃる貴方がありまさのお客様で、あるいはこれからお客様としてご来店下さる予定でしたら、もしかしたらこれ以上は読まない方が良いかもしれません。
お食事するときは店や店で働く人の背景を知りすぎない方が気楽に、心置きなく楽しめることも多いからです。
このサイト全体にその危険性が常にあるわけですが…
女将の内面とか、葛藤を知ることでお蕎麦や料理、お酒の味が濁ってしまう…
そんな可能性を感じるようでしたら、大変恐縮ですが、これ以上は読み進めないでください。
店はいつか必ず暖簾を下ろすときが来ますので、
それがいつかは分かりませんが、
閉店したあとにお読み頂いても…と思っています。
私は女将である前から物書きですが、現在は物書きであると同時に蕎麦屋の女将であり、女将はお客様にすっきりと美味しくお食事を楽しんで頂きたい、ただただそう願っているものなのです。
この「秘密の倉庫」は長く続けようと思っていますので、気長にお付き合い頂けましたら幸いです。